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国家社会主義の胎動

ルキノ・ヴィスコンティの映画「地獄に堕ちた勇者ども」を三島由紀夫は気に入っていたらしい。偶然にも、この映画が作られる前年に三島は戯曲「わが友ヒットラー」を完成していた。

映画「地獄に堕ちた勇者ども」と戯曲「わが友ヒットラー」はともに、『長いナイフの夜』というナチス内部の粛清事件を描いている。




新選組もしかり、戦前の日本共産党もしかり、ナチスもしかり、組織は純化する過程で粛清という過程を経る。

初期ナチスにおいては、以下の2派が粛清の対象になった。

・シュトラッサー兄弟に代表されるナチス左派
・エルンスト・レームという人望の厚いカリスマ的人物(牧歌的右翼・民族主義者)

ナチス左派とは何かと言えば、それはソ連の社会主義に民族主義をプラスしたようなものであり、ナチス党の旗の赤色はまさに労働者の色=左派の色である。

ナチスはその初期において社会主義的な思想を内包していた。そしてその内部(とくに東部地域のナチス)には急進的な左派勢力も存在した。『長いナイフの夜』で、急進的な左派勢力は粛清されるが、崩壊にいたるまでのナチスは、社会主義的な色の濃い体制であったことはナチスが行った様々な政策を見てもわかる。




社会が疲弊し市民の生活が棄損され、富の偏在が起こってくると・・・

・民族主義
・社会主義

この2つの要素が政治において強くなることは古代ローマの寡頭制の末期を見てもわかる。
たとえばカエサルは、属州の異民族を安い労働力として使う奴隷制を規制してローマ市民に仕事(パン)を与えると約束し市民の圧倒的な支持を得た。




日本においても、右派と左派が『国家社会主義』の下に結び付くという現象が政治おいてこれから起こってゆくだろう。その胎動が昨今見られ始めたように思う。『国家社会主義』は現代的な言い方で呼ぶと『反緊縮』である。

そして、歴史は繰り返すで・・・・仮に将来において国家社会主義的な体制が確立すれば、急進的な左派と右派は役目が終わったと見なされて、シュトラッサーやレームのように粛清される事になる。

日本はふたたび、政治・経済ともにナチス前夜のような混乱期に入ろうとしている。

生産力の巨大さによって滅びる文明

第二次大戦時、ドイツ軍は世界一優秀な兵器を作り、ドイツ兵は最強の兵士として戦った。

ドイツ軍のタイガー戦車1台に対して、5台のシャーマン戦車(米軍)や、3台のT34戦車(ソ連軍)があたり、それでもタイガー戦車が勝ったほどドイツ軍は強かった。

それでも、シャーマン戦車やT34は、雨後のタケノコのように生産される。破壊されても破壊されてもシベリアやアメリカの工場で戦車が作られて戦場に運ばれてくる。その圧倒的な物量を前に、ドイツ軍は敗れ去ったのである。




ところが、平和な世の中になってみると、ドイツの優秀な製品を作れる能力は、T34戦車を大量に作れるソ連の生産力よりも世界経済に役立った。

そして、ドイツや日本のような、生産力自体が低くても優秀な製品を作れる国は栄えたのである。




今中国は、かつてのように100均の商品を席巻したフェーズは過ぎ、ノートPCやスマートフォン、玩具、あらゆる分野で世界最高の製品を作れるレベルになっている。いわば、ドイツの優秀なタイガー戦車を、T34戦車やシャーマン戦車のように大量に生産できる状態。生産力の規模と質の両方で世界最高水準に近いレベルになってきている。

今までは原始的なモノを安く大量に作れたのに対して、今は、精度の高い製品を安く大量に作れるようになってきている。




この結果、先進国の製造業が脅かされるので貿易戦争が始まっている。

と同時に、中国それ自身が生産力の規模が大きすぎて国内メーカー同士でシェアを奪い合う競争が起こり、市場にモノが過剰に溢れ安売り競争が凄まじいことになっている。

かといって、生産量を下げると雇用や投資が大打撃を受けるので、この生産力をある程度は維持せざるを得ない。さりとて在庫は積み上がり、在庫をさばくためにさらに安売りする事になる。




今後5年間ほど、様々な分野で質の高い製品が異様に安い状況が世界経済において続くだろう。
このジレンマの行きつく先はどこにあるだろう?

中国製品が今後ますます世界の民生品を埋め尽くし世界経済の中心が中国に移るのは確実で有ろう。

だが同時に、近い将来、中国の異様に巨大な生産力によって中国自身も先進国も共倒れするのではないか?
この巨大な生産力にこたえられる需要がいつまでも世界にあるとはとても思えない。

世界の需要が「お腹いっぱい」になるポイントはかなり近くなっている。

世界経済は、そろそろ巨大な戦争(巨大な新しい需要)を必要としているのかもしれない。

『負債』になるか『資産』になるか?いくつかの興味深い記事


「専業主婦」世帯は高確率で貧困に~婚活女性の覚めない夢と、支えきれない男の現実
https://www.mag2.com/p/money/641066

2馬力で生活するとたとえ妻がパート程度でもすごく楽になる。

人間は付加価値を生み出さないと『負債』化する。その人が『負債』であるか『資産』であるかは大きな違い。

独身では生き抜けない国になった日本。「結婚しない」選択がもたらす悲惨な未来
https://www.mag2.com/p/money/654506

生活力のある男は独身の方が気楽な気がするが、生活力のある男を女は放っておかないわけで、生活力のある男は運命的に女に縛られる。一方、生活力の無い男は自然と独身に。

たとえば別荘地の年間管理費70000円(これがもうすぐ120000になるらしいが・・・)。2馬力の家庭なら、2人で折半できる。独身者はこれを一人で払う事になる。自動車も何もかも、人とシェアできない。すべての固定費が自分ひとりにかかってくる。

比較的都会のシェアビジネスがさかんでインフラ関連の固定費が安上がりな場所に住めば独身や専業主婦家庭でもデメリットは少ないかも。


“中高年引きこもり”で片付けるのは危険。45歳以上を「使えない」と切り捨てる大企業の闇
https://www.mag2.com/p/money/659611

別荘地でいろんな人を見ているとわかるが、サラリーマン的な思考でのリタイヤは仕事からの逃避(=ひきこもり)なのかもしれないが、中小企業の社長さん的な思考でのリタイヤは好きな仕事をやって収入を得ながら楽しんで暮らすスタイルとなる。中小企業の社長さん目線で見ると、仕事はゲームの一種であり苦行ではない。

同じように山荘に籠っていても、『負債』である人もいれば、『資産』である人もいる。

大学生の49.6%が「公務員になりたい」と回答、日本はあと数年で救いようのない国になる
https://www.mag2.com/p/money/661967

上のリンクとも本質面で共通するが、賃金奴隷という観点で見ると、奴隷としての待遇が最高の公務員を選びたがるのは当然。一方、公務員の家庭に生まれた私などは公務員的ないっさいのものを毛嫌いしており、まったく魅力を感じない。

ミンスキーモーメント ~ 破綻が確実な未来


ミンスキーモーメント  ・・・ 借金漬けの経済の臨界点

資金繰りに行き詰まり手持ち資産の投げ売りスパイラルが発生する。

日本のバブルのミンスキーモーメント  1990年
米国の住宅バブルのミンスキーモーメント  2007年



令和時代にミンスキーモーメント が起こりそうな場所

●ドイツ銀行 5500兆円のデリバティブを保有
●中国の債務総額 9700兆円(GDPの7倍)
●中国のシャドーバンキング 1100兆円(その半分に破綻リスク)




リーマンショック以降の世界経済は、それまでの経済と違い人工的に操作された経済。
金融緩和による温室状態。ゆえに、破綻しそうでなかなか破綻しない。

だが、世界経済の景気の水位が下がってきた今、上記のような前々から言われていた借金漬けスポットがそろそろヤバくなってきているようである。

もちろん世界経済はリンクしているので、発端はこれらの場所であっても、すでにリーマンショック以降、リスク資産を相当買い入れている日本の金融機関やそれに紐づいた大企業などはかなりの被害を被る。今勝ち組に見える巨大企業も内実は借金で首が回らなくなっている企業もある。




今は2006年なのか?2007年なのか?リーマンショックは2008年に起こった。

次の危機がいつ来るかは正確にわからないが、確実に来るし、次の危機はリーマンショック時の10倍~100倍の想像もつかない規模で来そうである。